東京高等裁判所 昭和41年(人ナ)2号 決定
請求者 石原一美
拘束者 松見達人 外一名
〔抄 録〕
人身保護請求事件の審査の対象は、被拘束者に対する拘束の手続が法律上正当であるかどうか(人身保護法第二条参照)、別言すると、「拘束又は拘束に関する裁判若しくは処分がその権限なしにされ又は法令の定める方式若しくは手段に著しく違反していることが顕著である」(人身保護規則第四条参照)かどうかという点に絞られ、拘束の実質的な当否には及ばないのであるから、本件において、被拘束者が精神衛生法第三条にいう「精神障害者」でなく、また、被拘束者を「入院させなければその精神障害者のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがある」(同法第二九条第一項)場合に該当しないから、東京都知事が被拘束者を松見病院に入院させた措置は、その要件を欠く旨の請求者の主張は、それ自体、救済請求の理由とすることができないものとすべきである。
(新村 中田 蕪山)